神社やお寺へお参りに行くと、おみくじを引くという人も少なくないでしょう。
コンパクトに折りたたまれたおみくじを広げると、運勢についての色々な助言が書いてあります。
最近では、獅子舞や巫女さんの人形がおみくじを運んでくれるものもあって、
実に色々な種類がるものだと感心してしまいます。
ところで、何気なく引いているおみくじですが、実際当たるのか?と疑問に思ったことはありませんか?
色々な考え方があって良いと思うのですが、私がお坊さんに聞いた話をお伝えします。
目次
おみくじにご祈祷はかかっていない
おみくじに信憑性があるかどうかを考える前に、お守りやお札にはご祈祷がかかっている話をします。
そもそも、なぜ神社やお寺で頂くお守りやお札には神聖な価値があるのでしょうか?
それは、神職の方やお坊さんがご祈祷をかけてくださっているからです。
ここでは神社のお守りを例に解説します。
皆さんはお守りを数える際、どのように数えるでしょうか?
1個2個という数え方は実は間違いです。
正しくは、1体(たい)と数えます。
お守りにはご祈祷がかかっており、神様の分身が宿っていると考えられています。
そのため、ものと同様に1個2個という数え方をするのは、神様に対して失礼にあたります。
そこで、神様を表す単位として「体」を用いるのです。
ちなみに、神様そのものは「柱(ちゅう)」数えます。
つまり、ご祈祷がかかっていて神様が宿っているので、お守りやお札は特別なものなのです。
一方でおみくじはどうかと言うと、場所にもよるのでしょうが基本的にはご祈祷がかかっていません。
これは私の実体験なのですが、昔とある大きいお寺でバイトをしていたことがあります。
(実名公表は避けますが、観光地にもなっているような有名な場所です。)
そこでお坊さんたちと働いていたのですが、疑問に思って聞いてみたのです。
おみくじって当たるんですか?
私はどうしても気になって、この疑問をぶつけてみました。
さすがに答えてくれないだろうと思っていたのですが…。
以外にもあっさりと答えてくれました。
いわく
・ご祈祷がかかっていないのでただの紙切れ
・当たるかどうかは本人の感じ方しだい
とのことでした…。
かなりバッサリとお答えいただきました。
実際のところどうなのか、裏を取っているわけではないのでウワサ程度に思って頂きたいです。
おみくじは結ぶのか、結ばないのか
ところで、おみくじを引いたあとは木や柵に結んで帰るというものがありますよね。
何となく結んでいるかも知れませんが、おみくじを結ぶのはどのような意味があるのでしょうか。
実はおみくじを結ぶべきなのは、凶や大凶などの悪い運勢が出たときです。
悪運を境内にとどめ、守って頂けるようにという意味合いのようです。
おみくじを結ぶ柵を良く見ると、吉以上のおみくじは結ばずに持ち帰るようにと書いてあることがあります。
手元に持っておいて、時々見返すと良い気づきが得られるのでおすすめです。
おみくじは引かなくていい?
ここまで読んでいただいた方は、じゃあおみくじなんか引く必要無いじゃないか!(怒)
と思われているかも知れません(笑)
まぁ私自身も、あまりおみくじを引くことは無いです。
誰かと一緒にお参りに行ったときには、盛り上がるので頂くくらいです(笑)
ただおみくじを引くことに全く意味が無いのかといえば、そうでは無いと考えています。
おみくじを引く意味合いとしては、「占い」としての性質が強いといえるでしょう。
占いには、偶然に起こる事象を解釈して占いに用いる「卜術(ぼくじゅつ)」と呼ばれる手法があります。
ポピュラーなタロット占いや、易による占いもこの分類です。
おみくじを引くというのは、神様にお伺いを立てることだと言えます。
恋愛や学問の成就について、神様のお言葉を頂くわけです。
そのお言葉によって、今後の生活を改めたり、努力を続けていくというのが本質なのです。
決して大吉だから願いがかなうとか、凶だから不幸になるというわけではありません。
おみくじを受け取るのは我々人間で、願いがかなうかどうかは私たち自身の行動によります。
おみくじとは、自分のあり方や努力の方向性を占うためのもの、と考えるのが良いでしょう。
ちなみに、神社本庁のホームページに同内容が書かれていますので参考にされてください。
先ほどのお坊さんから聞いた話も、このように考えると納得がいきます。
おみくじそのものに神が宿るわけでは無いにせよ、それを引いた私たちがどのように行動するか。
結局のところ、そこに尽きるということでしょう。
当たるかどうかは人それぞれというのは、活かせるも活かせないも本人の心がけしだいということですね。
おみくじを活用するために
おみくじは当たるのか?という点について、この記事では「本人の心がけしだい」とお伝えしました。
ただ、あいまいな結論になってしまっている感じは否めません。
そこで、どうすればおみくじを「活用する」ことが出来るのかについて考えて、この記事のまとめとします。
先にも述べたとおり、おみくじは「占い」としての性質を持ちます。
占いとは、基本的に「知りたいこと」を知るためのものです。
特に卜術では、その色合いが強くなります。
(手相占いなどでは性格の診断など漠然とした占いも出来るのですが)
あなたがどのような願いを持っているのか、どのような努力をしているのかをはっきりと意識しましょう。
そして、その方向性が間違っていないかを問いかけながら、おみくじを引くと良いでしょう。
そうして引いたおみくじに書かれている言葉は、あなたの願望の成就に向けたアドバイスになります。
ただ何となくおみくじを引いても、出た運勢で一喜一憂するだけです。
もしあなたが明確な問いかけを持っておみくじを引けば、その言葉は神様のお言葉になるでしょう。
今の自分におみくじが必要なのかどうか、良く考えて引いてみてください。
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